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トイレの流れが悪い原因は?簡単な対処法と業者に依頼する目安を解説
トイレの流れが悪くなると、日常生活に大きな支障をきたします。しかし、その原因は多岐にわたり、適切な対処方法を理解することが重要です。
当記事では、トイレの流れが悪くなる主な理由と、トイレの流れが悪い場合の具体的な対処法を詳しく解説します。タンクの水量不足から排水管の詰まり、水圧の問題まで、日常的に発生し得る問題とその解決策を網羅的にご紹介しますので、トイレの流れに関して問題を感じている方はぜひお役立てください。
目次
1. トイレの流れが悪くなるのはなぜ?
トイレが流れにくくなる原因はいくつかあり、自分で簡単に対処できるものから、専門の業者に依頼しなければならないものまでさまざまです。トラブルを迅速に解決するには、まず原因を正確に把握しなければなりません。
以下では、トイレの流れが悪くなる主な理由を4つ解説します。
1-1. タンクの水量が少ない
トイレのタンクから流れる水量が不足していると便器への水流も弱まり、排泄物が十分に流れずに詰まりやすくなります。まずは、止水栓がちゃんと開いているかチェックしましょう。この問題は、節水のためにタンク内にペットボトルを入れている場合に起こりやすくなります。
タンク内の部品がズレたり故障したりして、正常に水を溜められなくなって起こるケースも少なくありません。代表的なのが、タンク内の水位を調節するためのボールタップや、フロートバルブといった部品の劣化や破損です。
1-2. 便器内が詰まっている
タンク内に十分な水があり、部品にも異常が見られないにもかかわらず、水が流れて行かない場合は便器内に何かが詰まっている可能性があります。浅い部分であれば目視で確認できますが、奥にあると何が詰まっているか把握できないケースが少なくありません。
便器が詰まる原因として多いのは、以下の物品です。
- 大量の排泄物・嘔吐物・トイレットペーパー
- 水に溶けないティッシュ
- 生理用品
- 紙おむつ
- おしりふきシート
- 猫砂
- 子どものおもちゃ
- 掃除シート
1-3. 排水管が詰まっている
排水管が詰まると、便器内だけでなくトイレ全体の排水機能に支障が出ます。水を流した後に奥から排泄物やトイレットペーパーが戻ってくる場合は、排水管が詰まっているのかもしれません。排水管の詰まりは、排泄物やトイレットペーパー、生理用品など、便器を詰まらせるのと同じ物品が原因となるケースが大半です。
ほかにも、尿石や経年によるパイプ内壁の汚れが原因で、排水管が詰まることがあります。大雨などによる排水マスからの逆流も排水管が詰まる原因の1つです。
1-4. 水圧が不足している
水圧が不足している場合も、タンクからの水の流れが弱くなり、トイレの洗浄力が落ちます。水圧不足の原因としては、トイレの止水栓が十分に開かれていない、水道管の錆による詰まり、タンクレストイレで地域の水圧が足りないことが挙げられるでしょう。
また、水洗レバーが故障している場合や、排便時に「小」で流す習慣がある場合も、水圧が足りずに流れが悪くなることがあります。
2. トイレの流れが悪いときの対処法
トイレの流れが悪い原因が、便器内の詰まりや排水管の浅いところの詰まりであれば、プロに依頼する前に自力で解決できるかもしれません。
以下では、自宅で簡単に試せる対処法として、ホームセンターなどで購入できるラバーカップ(スッポン)と真空式パイプクリーナーを活用する方法を紹介します。作業時にはゴム手袋を着用し、ビニールシートで周辺をガードすると汚れません。
2-1. ラバーカップを活用する
ラバーカップは、トイレの詰まりを解消する際にもっとも手軽な道具の1つです。押し込むのではなく、吸引力を利用して水流を起こして詰まりを引き抜く仕組みで、和式・洋式・節水型トイレのそれぞれに対応した種類があります。
ラバーカップの使い方は以下の通りです。
- 便器内の水位を確認し、ラバーカップがちょうど水に浸かる程度に調整する
- ラバーカップを排水口にしっかりと密着させる
- 空気がカップ内に残らないように、持ち手をゆっくりと押し込む
- カップを勢いよく引き抜く
- 押し込みと引き抜きを数回行う
2-2. 真空式パイプクリーナーを活用する
基本的な原理は同じですが、カップに付属したポンプの圧力でラバーカップよりも強力な吸引力で詰まりを解消できるのが、真空式パイプクリーナーです。洋式トイレの詰まりを解消する場合は、大型のタイプを使います。
真空式パイプクリーナーの使い方は以下の通りです。
- 便器内の水位を確認し、吸引カップが水に隠れる程度に調整する
- カップを排水口にしっかりと密着させる
- パイプクリーナーのハンドルを根元までゆっくりと押し込む
- ハンドルを強く引っ張る
- ハンドルの押し込みと引き抜きを数回行う
3. 水量・水圧不足が原因でトイレが詰まっているときの対処法
トイレの水量不足や水圧不足が原因で詰まりが生じる場合、不具合が起きている部分によって対処法が異なります。
最初に、トイレの止水栓がきちんと開いているかを確認しましょう。止水栓が閉じていると水が流れないため、トイレのタンクに水が溜まらず水圧が低下します。
止水栓はトイレの近く、たいていは床やタンクの底に向かって出ているパイプに取り付けられています。止水栓が閉じている場合は開いてください。止水栓が開いていても水量・水圧が不足している場合は、タンク内の部品の修理や交換が必要になることがあります。
以下では、水量・水圧不足が原因でトイレが詰まっている場合の対処法を4つ解説します。
3-1. 水位を調整する
タンク内の水位が適切でないことも水量・水圧不足の一因です。以下の手順で水位を調整すると、水の流れがよくなる場合があります。
- 止水栓を閉める
- タンクのふたを開け、タンク内の水位を確認する
- 浮きから伸びる棒の根元にある水位調整リングを見つける
- 水位調整リングを引き上げ、ロックを外す
- リングを右に回して水位の設定を上げる
- 水栓を開け、水位が正常に戻ったか確認する
- タンクのふたを閉める
水位調節リングがない場合の対処法は、以下のいずれかです。
- 浮きの上についた調整ダイヤルを左に回す
- 浮きから伸びる棒の根元にある水位調整ネジを右に回す
- 浮きから伸びる棒の根元にあるナットで浮き玉の角度を調整する
- 浮きから伸びる棒を中央部分から上に軽く曲げる
調整後は、水位がオーバーフロー管の「W.L.(ウォーターライン)」の位置に合っているか確認してください。
3-2. ボールタップを交換する
ボールタップはトイレタンクに水を入れる部品で、タンクにあわせた適切な水量で水を止める役割があります。
ボールタップは一部の部品を交換することも可能です。ただ、ほかの部分も経年劣化を起こしている可能性があるため、まとめて交換するとよいでしょう。
【ボールタップの交換手順】
- 止水栓を閉める
- タンクのふたを開け、中の水を抜く
- 給水管に取り付けられているナットをモンキーレンチで外す
- 古いボールタップを取り外す
- 新しいボールタップの接続部にパッキンを挟んで取り付け、ナットで固定する
- 給水管を取り付け、ナットを締める
- 止水栓を開け、水漏れがないか確認する
- タンクのふたを閉める
古いボールタップの型番や種類を確認してから新しい部品を購入すると、規格違いを起こしません。
3-3. フロートバルブを交換する
フロートバルブはボールタップが出した水量を保持する重要な役割を果たします。劣化や故障により正常に機能しなくなった場合、交換が必要です。単にチェーンが外れているだけであれば、つなぎ直せば解決します。
【フロートバルブの交換手順】
以下のリストを見ることによるメリット
- 止水栓を閉める
- タンクのふたを開け、中の水を抜く
- レバーとフロートバルブをつなぐチェーンを外す
- フロートバルブをオーバーフロー管から外す
- 新しいフロートバルブをオーバーフロー管に取り付ける
- チェーンをレバーに接続する
- 止水栓を開け、水漏れがないか確認する
- タンクのふたを閉める
フロートバルブにはパッキンの交換方法が異なるタイプがあるため、必ず規格が合致するか確認しましょう。
3-4. 止水栓の錆詰まりを解消する
トイレの流れが悪い原因として、止水栓や給水管に錆が詰まっている場合があります。特に古い金属製の水道管を利用している地域では、錆による詰まりが発生するケースが珍しくありません。
トイレの水位や部品に問題がない場合は止水栓を閉めて水流を止め、ストレーナーやフィルター部分をチェックしましょう。汚れていた場合は、歯ブラシなどで溜まったごみや錆を除去します。
ただし、止水栓自体が内部まで錆で固定されてしまっている場合や、詰まりがひどい場合は自力での清掃が困難です。自分での対応に不安がある場合は、無理をせず専門家に相談しましょう。
4. トイレの違和感を放置するとどうなる?
トイレの流れが悪くなった原因が排泄物やトイレットペーパーなど、水溶性のものが少量詰まった場合は、時間を置くと直る場合があります。しかし、原因がほかにある状態で適切な対応をせず完全に詰まってしまったら、深刻なトラブルへと発展しかねません。トイレに違和感を感じた場合は、可能な限り早急な対処が必要です。
以下では、トイレの違和感を放置した場合に起こり得るトラブルの代表例を4つ紹介します。
4-1. 水があふれてしまう
トイレの詰まりを放置することで起こり得るもっとも代表的なトラブルが、汚水のあふれです。便器からの排水が悪いまま使用を続けると、排泄物やトイレットペーパーが適切に排出されずに溜まり続け、あるとき急に便器の縁を越えてあふれ出すケースがあります。
床や壁に汚水が広がって床材が腐食したり悪臭が染み付いたりすれば、トイレの詰まりを直すよりもはるかに清掃費用や修理費用はかさむでしょう。
4-2. トイレが故障する
トイレの詰まりを放置することで、トイレ自体の故障にもつながります。便器内で溢れた水が電気系統に入り込み、ショートや腐食を引き起こすトラブルは少なくありません。
たとえば、便座の加熱機能が停止したり、ノズルからの水流が弱くなったりするなど、使用感に直接関わる多くの機能が影響を受けることがあります。また、内部の基板が損傷して修理が困難になると、高額な修理費用や完全な交換が必要になる事態も起こり得ます。また、あふれた水がコンセント周りに達すれば漏電の場合もあり、非常に危険です。
4-3. 悪臭が発生する
トイレの詰まりを放置すると、悪臭の発生は避けられないでしょう。たとえば、排水管の詰まりは封水の減少を招きます。封水とは、便器と排水管の間に常に水を溜めておくことで、下水の臭いや害虫の侵入を防ぐ水の層です。つまり、詰まりが原因でこの水層が不足すると、通常は封じ込められているはずの下水の臭いが室内に充満することがあります。
また、流れないままで便器や排水管にとどまった汚物が腐敗するのも、悪臭の原因です。このような状態が長く続くと、生活空間の質が低下して精神的なストレスも増加し、健康を害する可能性もあります。
4-4. 漏水につながる
トイレの詰まりが原因で漏水が発生する場合もあります。特にアパートやマンションなどの集合住宅では、上層階のトイレが階下の住居に損害を及ぼす恐れがあります。排水管が詰まって水が溢れた場合、その水が床材を伝って下の階に漏れることがあり、被害を受けた住民とのトラブルに発展するケースも少なくありません。
水漏れによるダメージは修理費用だけでなく、場合によっては住居のリフォームが必要になることもあり、高額な費用の発生は避けられないでしょう。また、漏水は建物の構造を腐食させる原因ともなり、建物の劣化を加速させます。
5. トイレの流れが悪いときに業者に依頼した方がよいケースは?
トイレの流れの悪さを自分で解消できる場合もありますが、状況によっては専門の業者に依頼するのが安心かつ確実です。以下のようなケースでは、業者に依頼したほうがよいでしょう。
バケツで水を流したりラバーカップを使用したりしても詰まりが改善しない場合、専門業者に依頼することを推奨します。
特に、何度も対応しているにも関わらず、すぐに再発するような場合は、詰まりの原因が自力では手に負えない深刻なものである可能性があります。
詰まりの原因が自明でない場合、特に異物が詰まっているかどうか不明なときは業者の力を借りたほうが安全です。
業者は特殊なカメラを使用し配管内部の様子を見て、詰まりの原因と位置を特定できます。自力で対処しようとすると、作業中に異物を押し込んだり管を傷付けたりなど、問題を悪化させかねません。
複数の排水設備の水の流れが同時に悪くなっている場合は、排水マスや排水主管に問題がある可能性があります。
基本的に排水設備でトラブルが起きている場合は、家庭用の工具で対応するのは困難であるため、専門業者による排水管全体の洗浄や修理が必要になります。
上記に該当する場合、早めに業者に依頼することで更なる損害や不便を避けられます。
6. トイレの悩みを解消する業者の選び方
水の流れが悪く、業者に依頼したいと思っても、どこを選べばよいか分からない方も多いでしょう。水回りに対応する業者は多くいますが、中には悪質な業者が混じっているため、慎重さが必要です。
以下では、トイレの悩みを解消するため、安心して任せられる業者の選び方を4つ解説します。
6-1. 水道局指定工事事業者かどうか確認する
信頼できる業者を選ぶ基準として、水道局指定工事店か否かは非常に重要です。水道局指定工事店とは、各自治体の水道局から公的に認定された業者のことで、以下の基準を満たしている必要があります。
- 社内に給水装置工事主任技術者を配置している
- 工事に必要な機材・資材を備えている
- 適切な工事と事務手続きが可能である
指定工事店は水道法施行令に則って業務を行うため、水の安全はもちろん、後々の二次トラブルが発生するリスクを抑えられるでしょう。
6-2. 実績を確認する
業者を選ぶ際、創業年数や施工事例、件数などの実績は重要な判断材料となります。創業年数の長さは、それだけ長期間にわたって地域で信頼され、支持されてきた証拠です。また、施工事例の数や内容も業者の経験と技術の幅を示す指標になります。
施工事例を写真付きで公開していれば、技術力や仕上がりの質を直接確認できるため、より信頼できると言えるでしょう。さらに、顧客からの評価やフィードバックも掲載されている場合、サービスの質や顧客満足度も推測できます。
6-3. 見積りを行う
トイレ修理を業者に依頼する際は必ず複数の業者から見積もりを取り、比較検討して料金が適正かどうかを確認することが大切です。ほとんどの業者は見積もり自体に料金は発生しませんが、一部で有料の場合もあるので事前にチェックしましょう。
現場の状況を確認せずに一方的に金額を示されたり、部品交換や追加工事などで過剰な費用を請求されたりすることのないよう注意が必要です。また、控えめな金額が示されていても、追加料金で高額になるおとり広告にも注意を払わなければなりません。
6-4. 対応力を確認する
水漏れやトイレの詰まりといった緊急のトラブルでは、迅速な対応が求められます。そのため、業者を選ぶ際は24時間365日対応しているかどうかを確認しましょう。
対応の丁寧さも見逃せません。業者との初回のコミュニケーションで、スタッフがどれだけ丁寧に対応してくれるかは、その後のサービス品質を占う重要な指標になります。見積もりの際に詳細な説明を行ってくれるか、また修理後のアフターフォローがしっかりしているかもチェックポイントです。
まとめ
トイレの流れが悪くなる原因は多岐にわたり、タンクの水量が少ない場合、便器や排水管の詰まり、水圧の不足など、さまざまです。トイレの流れが悪い場合の対処法としては、ラバーカップや真空式パイプクリーナーの使用、水位調整や部品の交換などがあります。
ただし、原因によっては自力で対応できず、専門業者に対応を依頼しなければならないケースがあります。当記事で、トイレの問題を放置した際のリスクや、業者に依頼するべき状況、信頼できる業者の選び方についても触れていますので、トイレの流れが悪い場合にはぜひこの情報をお役立てください。